このような現状と、人生で一番お金がかかるのは子育てであることを考え併せると、子育てをほぼ終えたと考えられる60歳以上の世代が、これから子育てを行う若い世代へ資金援助を行うのが最も自然であり、かつ好ましい政策でもあると考えられる。
しかし、現実には年間110万円を超えると贈与税が課せられる。また、平均寿命が80歳という現状では、相続者も50歳~60歳代となり、若い世代への所得移転はなかなか進まないということになる。そうであれば、1つの極論ではあるが、相続税率を100%として、若い世代(例えば20代・30代)に対する贈与税率を0%にすれば、高齢者から子や孫の世代への所得移転がスムーズに運べるのではないか。
以上、述べてきたように、わが国はおよそ考えられるすべてのアイデアを総動員して人口を増やす政策を実行しなければならない。それが今回の将来人口推計の示唆するところではないか。
蛇足ではあるが、筆者は決して「産めよ増やせよ」を奨励している訳ではない。フランスがそうであるように、子どもを産む・産まないは100%女性が決めることであり、百歩譲ってもカップルが決めることであると考えている。国が介入すべき事柄ではまったくない。そうした前提の上に立って、産みたい時にいつでも子どもが産める社会が理想だと考え、国の政策はそういった環境を全力で創り上げることに注がれるべきだと主張したいのである。
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